歯科経営コンサルタントの平均報酬

歯科業界の経営コンサルタントの月額報酬は、提供されるサービスの内容、コンサルタントの経験や実績、契約期間、そして依頼する歯科医院の規模や状況によって大きく異なります。

一般的な相場としては、以下の範囲が考えられます。

  • 月額10万円~30万円程度:
    • これは比較的手頃な価格帯で、新人コンサルタントや、特定の分野(例:集患対策のみ、SNS運用サポートのみなど)に特化したサービスを提供する場合に見られます。
    • 定期的なミーティングは月1~2回程度で、主なサポートは情報提供や簡単なアドバイスが中心になることがあります。
  • 月額30万円~50万円程度:
    • 最も一般的な価格帯と言えるでしょう。
    • 経験豊富なコンサルタントが、経営戦略全般(集患、人材育成、効率化、売上向上、新規開業支援など)にわたる包括的なサポートを提供するケースが多いです。
    • 定期的な訪問やオンラインミーティングに加え、具体的な施策の提案や実行支援、進捗管理など、より踏み込んだサポートが期待できます。
  • 月額50万円以上:
    • 非常に高い実績を持つ著名なコンサルタント、あるいは大規模な医療法人や複数医院を経営するグループに対し、抜本的な経営改革やM&A支援、ブランド戦略構築など、高度な専門性を要するコンサルティングを提供する場合があります。
    • 短期間での集中的な成果を求められる場合や、複数のコンサルタントがチームで対応するようなケースもこの価格帯になることがあります。

 

報酬形態の種類

 

月額報酬以外にも、以下のような報酬形態が組み合わされることがあります。

  • 成功報酬型: 月額固定費用に加えて、売上目標達成や利益改善などの成果に応じて別途報酬が発生するケース。コンサルタント側のモチベーションにも繋がります。
  • スポット契約: 特定の課題解決(例:スタッフ研修、Webサイト改善)のために一時的に依頼する場合。数万円~数十万円の単発費用が発生します。
  • 着手金: 契約時に初期費用として一括で支払うケース。

 

報酬を決定する要因

 

  • コンサルタントの専門性・実績: 歯科業界に特化しているか、成功事例が豊富か、どのような資格を持っているかなどが影響します。
  • 提供するサービスの範囲: どこまで踏み込んだコンサルティングを行うか(戦略立案のみか、実行支援まで含むか)。
  • 契約期間: 長期契約の方が月額単価が安くなることもあります。
  • 歯科医院の規模・状況: 大規模な医院や複雑な問題を抱える医院ほど、コンサルタントの投入リソースが増えるため、高くなる傾向があります。
  • 地域: 都市部の方が報酬が高くなる傾向があります。

 

契約を検討する際のポイント

 

歯科コンサルタントを選ぶ際は、報酬額だけでなく、以下の点も確認することが重要です。

  • コンサルタントの専門分野と実績: 貴院の課題に合った専門性を持っているか。
  • コミュニケーションの相性: 信頼関係を築けるか。
  • 具体的な提案内容: 漠然としたアドバイスだけでなく、具体的な行動計画を示してくれるか。
  • 費用対効果: 支払う報酬に見合う成果が期待できるか。

コンサルタントへの考え方

多くの先生がコンサルタントに「何をやってくれるの?」と聞きますが根本的に考え方が違います。正解は「何をやってほしい」や「何を解決してほしい」と、初めに自分の相談したい内容を明確にしておくべきです。

そして「何が出来るの?」ではなく、Aiと同じように、「何を解決したい、目的はこうなんだけど、最も効率的でコストに見合う方法を提案、実行、サポートしてほしい」と聞くべきです。

コンサルタントは八百屋ではなく、どちらかと言えば専門的な料理のシェフに似ています。

「キュウリ3本欲しいんだけどいくら?」

ではなく、

「アンコウをフリットにしてラタトュイユ的にさっぱりと食べたいな」

のような指示が適しています。

これに対して、例えばキュウリが3本¥5,000だったら皆さん高いと思うでしょう。ですが後者が1万円と言われても高いのか適正なのか分からないと思います。
コンサルタントから言わせれば、どちらも適正なのだと言えます。

¥5000もするキュウリであれば、それなりに理由があるはずです。頭ごなしに「高い!いらない!」と思うのであれば、ご自分の自由診療の値段を聞いただけで判断してしまうリテラシーの低い患者と同じです。フランス料理1品が1万円しても、「シェフの技術料もあるだろうからね」と思う方も多いのではないでしょうか?

もっと分かりやすく言えば、キュウリはCTやマイクロスコープ。
1万円の料理は増患対策だと考えるべきです。もちろん価格は違いますが、そのキュウリの価値が分かる人なら、それが高いとは思いません。逆に美味しいか自分に合うか未来の見えないフランス料理は高いのか適正なのか分からないのではないでしょうか?

そこにインチキなコンサルタントと本物の違いがあります。
本物には成功の実績と失敗の実績も持ち合わせています。だから中身のないコンサルタントは失敗事例を持っていません。会社の言いなりのサラリーマンに真のコンサルはいないのです。

1流の生産者、1流の料理人はコンビであり、
1流のデザイナーやコーダー、1流のコンサルタントは常にそれぞれが単独で存在し、チームであり、分業でもあります。

コンサルタントには、「何をしたいのか?」を明確にして、ケチらずに付き合いましょう。
「安くやってほしい」は、「安い仕事をしろ」と同義なのです。

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