歯科医院側の面接手法・悪い歯科衛生士を雇用しないために

雇用の失敗は資本減少以上の大損失

歯科衛生士・面接手法・アルファージール 

歯科経営者からの相談で3割以上が「スタッフ教育」であり、
「言ったことをやってくれない」「反発される」「向上心がない」というような内容でお悩みの経営者が多いのですが、共通してその原因は経営者の雇用責任であると言えます。

つまり、雇ってはいけない人物を歯科衛生士だからという理由だけで雇ってしまうと思わぬ大失敗をするのです。

残念ながら、歯科医師の多くは歯科医師としての勤務経験しかなく、複数の診療所を経営している法人であってもその内情は組織として未熟で、企業とはお世辞にも言えないシロモノであることが多いのです。

そのため、偶然的に奇跡的に現場力だけで成り立っている医院が多く、その勤務経験だけで開業され「自分は分かっている」つもりであっても、いざ開業したらこのような失敗で痛い思いをする先生がいらっしゃるのです。

調理師免許を持っているからと言って料理人ではない

喩えると理解がしやすいと思います。

専門学校で調理師免許を取得したからと言って料理店で料理ができるとは限りません。あくまで学校で基本的な勉強と試験に受かっただけの話です。
調理師免許は、専門学校で勉強し試験を受けて資格を取得する場合と、実務経験を2年以上経て試験を受けて取得する場合の2種類があります。後者であれば「料理ができる」上での判断は出来ますが、前者は本当に実践で使えるかは別です。

ましてや、前者で実務経験が乏しく、かつブランクが空いている人物を「料理ができる」と思って勝手に判断をして雇用するのは経営者側です。
失敗はすでにその時点で始まっているのです。

医院側の面接官の役割り

おおよそ、開業時の面接官は医院経営者となる先生です。
ここで面接をする際に医院側は「応募をしてくる人物の見極め」と医院がこれから重要視する医院の理念や行動指針を説明し理解してもらわなくてはなりません。

応募者を見極めるには

雇う側は応募者の、

  • スキルや出来る、出来ないこと
  • どういう職場を求めているか?
  • 人材になるかどうか?向上心
  • 医院経営に協力的かどうか?
  • 嫌な経験をどう克服してきたか?
  • 過去に問題と思われる行動をしたことがないか?

を、見極める必要があります。
重要なことは相手から情報を引き出すことです。その上で面接側は雇いたいと思うペルソナ像をあらかじめ文章化しておくことも大切です。

「ブランクがあることは分かっていたが、雇ってみたらSRPすらまともに出来ない」

なんてことが無いように。

求める医院の人物像や理念を

当然ですが歯科における歯科衛生士は売り手市場です。ですので「面接=受かるもの」と認識している人も多く、ここでトラブルが起きる原因が大きく内包します。
医院側は、

  • 医院の理念
  • 求める人物、人物像
  • 患者に対する思い
  • 行動指針

を、印刷して渡しておくことも1つの手です。
なぜなら、渡すという事は「雇うときにどんな人物を求めているか、渡しましたよね?」という約束にもなるからです。
例えば、当社であれば、

  • 最初から最後まで勤勉に仕事をする会社
  • 気遣い、人の幸せを考えられる人物
  • お客様の向こう側のさらなる顧客の気持ちを考えて仕事をする
  • あいさつ、報連相、気遣いを徹底する

というルールを設けています。
つまり、これを守れない人は当社では働いてもらっては困るという事です。もちろん、日々の職務の中で出来ないスタッフには厳しくこれらを徹底できるよう指導するのですが、これらは経営者を守るためでも重要なルールです。昨今では「出来ないのは個性、優先されるべき多様性」などと無秩序な従業員の言い分に悩まされる経営者も多くいます。

「あなたの普通」は会社にとって「普通」ではなく、最低限の「普通」は細かく会社が規定しなくてはならない世の中になっているとも言えるのです。

2次面接はやったほうがいい

時間がない、開業前に人件費を掛けるのは無駄と思っているのであれば経営結果はギャンブル的要素が強くなります。
仕事は常に「段取り8割」です。
開業準備から、ホームページへの協力、業者との医療機器の説明への参加など、これらはしっかりと参加できるのかは面接時に聞いておけば分かることです。

「私用があるので参加できない」

というのは、働く前に自分の都合の良い職場で、自分に都合よく働かせてもらえるという問題ありき人物です。
ですので、本人が働くことについていい加減に考えているのか、医院(会社)のために働かせて頂きたいと考えて面接に来ているかを見定めるためにも2次面接は行ったほうが良いと言えます。逆に言えば、1度の面接で雇用が決まるというほうが企業で働いたことがある人からすれば異様な光景です。


今回はここまでにします。
リライトするとは思いますが、自分に合わない人材を雇用して苦しむことのないように、しっかりと準備と知識・手法を身につけましょう。

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