経営者として育つ|勝つ歯科経営

歯科医師よりも大切なこと

多くの開業している、もしくは開業準備中にこれを読む歯科医院経営者になる方は、ご自分の年齢やライフスタイルや人生設計、または歯科医師としての挑戦として開業を為されようとしていると思います。

今回はこれを読まれる方によって、とらえ方が全く違う内容になると思います。もちろん、これらは経営者として書きますから勘違いされて読まれる方は経営者になれていないのだと自覚してください。

§1.経営者として自分は育っているか?

どんなに分院長を経験されていようが、自己資金で起業していない以上、それは経営者ではありません。役職です。
もちろん、企業などでは数億という売上や予算を任され、役員として育つ人物はいますが、歯科や医療法人社団で役員を企業のそれと同じように担っている人を私は見たことがありません。もちろん近しい立場はありますが、根本的に経営者は自分のお金で勝負をしなくては育たないということをまず初めに断言します。
つまり、コンサルタントでも経営したことのないサラリーマンがいくら経営コンサルタントを名乗ろうとも、それは本物ではありません。「コンサルちゃん」です。

そして、歯科経営は自分の裁量以上に結果が出てしまう事もあります。
総じて経営者の力量となる訳ですが、10年ほどまでは「どうしてこんなに人気が出ているのか?」と思うことは無いでしょうか?自分がすごいのか?それとも周囲の医院がダメなのか?人気の歯科医院を経営出来ていても、どこか自信のない先生がいます。
答えはどちらもです。
ですが、自分の経営力に迷いを感じる方、共通しているのは「本を読んでいない」「異業種に経営者の友人がいない」パターンが圧倒的です。知人ではなく、友人です。

§2.経営者はどこで学べるのか?

結論「失敗から学ぶ」とことが多いのです。
これは安心してください。どこの会社の社長もレベルが低いうちはみんな同じです。

そして安心してください。
開業当初の失敗や学びは、言わないだけでみんな経験しています。「スタッフで失敗」「商材・サービスでの契約で失敗」「経営の勉強をまったくせずに失敗」「全部、自分でやろうとして失敗」…など、数えきれないほどあると思います。

もちろん、初めの段階では自分のレベルに合わせた失敗しか出来ません。
個人医院が大きくなり、法人化し、従業員が増え、業務が増え、現金も債務も増え、そんなところでやってくる失敗は規模も大きくなるものです。
そしてその頃には、あなたの言葉をオウム返しでしか答えを言わない詐欺師やインチキ仲間がごっそり増えていると思います。

経営力を付けずに「ただ歯科医師として治療に努めたい」と言うのであれば、本来は経営者になるべきではありませんが、優秀で信頼できるパートナーを作るべきでしょう。
特に、スタッフ教育や医院経営はやはり、ノータッチではいられるわけがありません。昭和の歯科医院じゃないんです。少なくともリーダー、歯科医師、経営者、この3役はやらなくてはならないでしょう。

§3.経営者は仕事をするな?

ここで逆のことを言います。
経営者のもっともたる仕事は、ビジョンと資金調達、この2点です。言ってみれば経営者という1点に着目するのであれば、プレイヤーであってはいけないのです。あくまで経営者はビジョンを立て、その具現化するために資金調達するのが本来の仕事です。
だから医師が経営者になり上場するというケースがとても少ないのです。というより、上場する方はほとんどがご自分の医療は一度降ろして起業されてますね。

つまり、現場でプレイヤーとして続けていく経営者でいるのは、ある程度まで自分で仕事を背負い続けたら、次には降ろさないといけません。
それが現場に責任を持たせるという事になります。そうなると、例えば評価基準であったり業務報告などプラットホーム的な構築だったりします。ですが、ここでまた経営者や従業員がこれを作り始めるとどうなるでしょう?

§4.明智光秀・羽柴秀吉・諸葛亮?

大切なことは自分にとって、経営とはどの段階に自分が立っているかを理解することです。
そしてその歴史は誰が覚えているかという事です。残念ながら組織において経営者以外は「捨て駒」でもあります。どんなに有能であっても年齢には逆らえませんから、組織である以上ある時期を見て活性化しなくてはなりません。
その時に、自分にとって軍師なのか、地べたを回る天才なのか?思考に輝く自分を成長させ導いてくれる秀才か、経営者は自分以外に自分の能力以上の部下(仲間)を持ち、お互いに信頼し仕事ができてこそ組織も経営者も成長します。

おおよそ、歯科医院経営者は1人です。もちろん、個人事業主としてマイペースにやりたい治療、やりたいスタイルで経営することも素晴らしいですが、もし、資金がショートするようなことがあれば本末転倒です。

§5.勉強しない先生は…

しなくても良いのです。
極論、困らなければ勉強なんて歯科医療も経営も勉強しなくていいと思います。
ただ、もし自分が困ってしまったときに経験でクリヤーできれば何の問題もないともいますが、昨今の歯科経営は昔に比べてカネがかかります。

さらに、どんどん近隣に競合が新規開業してきます。そんな時に、その場になって慌てるのであれば勉強なさるか、準備をなさっていたほうが宜しいかと思います。
年配になって、ニッチもサッチも行かなくなって慌てるより、45歳くらいから方向を見定めておくことが重要です。

TOPへ