「患者様」?「患者さん」?

時代の流れは「患者さん」

昨今、歯科だけではなく医療業界全般で「患者様」から「患者さん」という呼び方(呼称)へ変更されることが普及しています。

これらは医療がサービス業であるかどうかの見解や、歯科においては自費治療のビジネス的な側面から「患者様」という『消費者』への敬称という考え方による側面もありました。

また、高齢化にともない「利用者」というご家族も含めた意味でも使われる言葉に対して「利用者様」であるべきか「利用者さん」であるべきかを発する医療者側からの呼び方と受け手の感情的な感覚の変化もあり、全体的には大手医療法人社団などにも「患者さん」「利用者さん」という呼び方が一般的に浸透しています。

多くの患者やご家族の方も「お名前+さん」で呼ばれる方が温かみを感じるそうです。
これらの呼称についてホームページなどで公開している医療法人社団も多く見受けられるようになりました。

確かに「~様」を使うことで消費者としての権利の意識を増長させ、診療においてトラブルを招く事例もあるようです。

歯科における見解

医療業界全体から考えるに、「患者様」であるべきかどうかは美容医療に準ずるべきではと考えるのが当社の見解です。
歯科がサービス業化へ流れてきているのは少なくとも事実です。ですが、保険診療を前提に治療をする歯科医院がほとんどであることも事実です。

一般的な感覚で言えば、「患者様」であるかどうかは「治療」なのか「施術」なのか、「美容医療」なのかという消費的な側面かどうかが受け手側の『対価』かどうかが内包されると考えます。

例えば、美容医療において大手有名美容医療クリニックのホームページでは、ほぼ「患者様」に統一されています。
さらに、そこには「最高水準」であったり、「最高の美」「最先端」というキーワードが散りばめられています。これでは患者であっても治療や医療を受ける感覚はなくなります。あくまで「美」に対して対価を支払うことで得られる消費になります。
その見解ではやはり患者は患者様になると思います。

ただ、歯科はそれらの審美的な歯科治療においても、まだまだソリューション(問題解決)としての医療を提供していることが多い訳ですから上手に使い分けることが必要かと思います。

・保険診療を含むホームページでは「患者さん」で統一
・審美的な内容は別ホームページで「患者様」に統一
・医院では「患者さん」で統一

そして大切なのは、どんなに自費治療の割合が高くなっても一般の患者から歯科医師に対する感覚は「助けてくれる人」ですから、温かみとホスピタリティは医院から感じられると安心・信頼につながると思います。

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