自費率を伸ばすには

自費を伸ばすのは容易ではない

インプラントや矯正歯科治療、義歯や被せ物など自費率を増やす上で『何をすれば?』というご相談を多く受けます。
結論から言うと、「何かをすれば」ではなく「何をすべきか」を始めに考える必要があります。

別段、難しい事ではないのですが、1日100人来院がある歯科医院と30人ほどの歯科医院では自費を伸ばす方向はまったく変わります。ですので業者がよく「〇〇をすれば自費が伸びる」というのは本末転倒だと言えるのです。
これらは行政がよくやる「箱モノ行政」と同じで、何かを買えば客が入ると思って導入しても結果として顧客が増えないのと同じです。
自費を増やすにはまず「何をすべきか?」そして自分の医院がどのようなタイプに分類されるかを認識することです。

マスかターゲティングか?

患者さまがたくさん来院される歯科医院の自費を伸ばすには、すでにマス(数)がある訳ですからセグメント・マーケティングを行うことで自費を伸ばすことは可能でしょう。
患者属性を分類して、ニーズのある患者を選別し、そこに戦略的に自費を勧めて行けば結果とデータが得られます。
これらを戦略的に繰り返すことで精度と結果も上昇することは間違いありません。

対して、患者さまがそれほど多くない歯科医院であれば対外的な戦略と予算、そして継続率によって自費は得られます。
ただし、これにはしっかりとした戦略と継続が必要です。失敗する多くの経営者は「1回やったけどダメだった」とすぐ諦めます。このような方は何をやっても新しい企画を失敗します。企業と同じように、戦略と予算、どれくらい継続して結果をデータとして取得するかです。

予算はケチケチしない

1つの企画には、常に予算を立てて使い切ることが重要です。
30万円なら30万円、50万円なら50万円トケチケチしないでしっかり出しましょう。

金額から出来ることを計画するのはビジネスにおいて基本中の基本です。
自費という通常診療よりも高額な結果を求める訳ですから、「貧乏人の安物買い」ではなく必要なものを必要な限り計画し使い切りましょう。

・ホームページ強化
・パンフレット
・広告宣伝
・クロージング計画

考えればまだまだ出てくるでしょう。
しかしながら、これこそが「会社」であり「組織経営」です。自費向上はある意味で個人経営からの脱却でもあります。医院スタッフという人的資源を活用し、外部委託や外部に制作などを行いながら戦略的に行いましょう。

失敗する経営者の法則

失敗するほとんどの経営者の法則は、こちらに企画やコンサルティングを頼んでおいて提案をすると、
「それはいい」
「これはいらない」
という、自分の見解だけで判断する方です。

慌てる子供と、自分本位な考えしか持てない経営者は『もらいが少ない』ものです。
「いらない」と思うものにこそ、必要性があるものです。失敗する人はいつも2択でイモを引きます。ですので、正しい判断は「これはいらないと思うんだけど、必要と思えるなら説明して欲しい」と、話を訊く能力が経営者には求められます。しかしながら、それでも失敗をするのが経営というものです。ですがそこから得た失敗は糧となります。やるべき失敗を出来ない選択をすることこそが機会損失と言えます。機会損失は経営者にとってもっとも避けなくてはならない損失の1つです。

まとめ

結果として、自費を伸ばすには「何かをすれば」ではなく「何をすべきか」ということがお分かりになられたと思います。
これらをまずしっかりと頭に入れた上で、「何が欲しいか」を考えると、良い結果に繋がりやすいでしょう。これらはスタッフ教育にも言えることで、大切なことは「経営者能」を作ることが大切と言えます。

2022年9月22日
株式会社アルファージール
代表取締役CEO 小林大晃

TOPへ