歯科開業の失敗、事業計画の落とし穴

業者任せの事業計画で資金ショートで苦しむ前に

多くの歯科医師が開業される際に作る事業計画。
ですが、本当にご自身で作られ計画されたものでしょうか?

エクセルベースでテンプレート化された、診療圏内の人口だけを基準に右肩上がりに増える患者数…、資金調達を目的に作っていたとしても、果たして本当にその通りになる根拠はあるのでしょうか?

初月〇〇人の新患獲得も、ホームページ制作と内覧会、あとはInstagramといったSNSだけで本当に集患出来ますか?
さらに言えば、運転資金を圧迫させるだけで実際に効果や反響の見えない予約サイトやブランド力にも満たない取材サイトに年間数十万円を支払ったとしても、それが本当に増患と呼べる効果があるのでしょうか?

予定通りに行かない時のリカバリー計画はあるか?

何よりも、計画はあくまで計画であって、必ずその通りになるという事ではありません。経営は生ものです。
内覧会で雨が降れば集客効果は激減しますし、真夏の開業は患者の足が遠のきます。

「フタを開けてみれば患者さんがたくさん来た」
であれば胸も撫で下ろされますが、そうでなかったらどんな対策をしますか?その準備は出来ているでしょうか?実はほとんどの開業される先生は、もし事業計画通りに患者数の増加が見込めなかったら…のリカバリー計画をお持ちでないのです。開業資金1億円が当たり前のこの時代、返済額も大きくなりますから自己資金がショートしてしまう確率も高くなるのです。

開業3カ月までの判断が左右する

結論から言うと、覚悟すべきはどこにホームページ制作を任せようが、内覧会をどこに依頼しようが集患結果は誰も保証しません。当然のことながら出来ません。もちろん、結果に繋がるようどの業者も業者の線引きで行ってくれますが最終的には経営者の自己責任です。

私の会社が倒産しようが業績が右肩上がりの黒字だろうが、すべては経営者の責任と選択の結果にすぎません。
だから経営者は勉強もしますし、付き合いもします。誰も褒めてくれませんし、けなすこともしません。実に孤独です。それは強く認識すべき事柄です。

だからこそ、「うまくいかなかったら何をするのか?」は考えておくべきです。

基本的に私は、ホームページ制作と内覧会や告知を行うことで結果が出なかったら何度でも告知をすべきだと考えます。
たった1回の告知で開業が成功する時代ではなくなっていることを認識すべきです。
インプラントの価格破壊や、看板ブーム、SNSで動画での宣伝などでも分かる通り、今まで通りで成功する時代ではなくなっているのです。早い段階で決断をする、目標値を下方修正・上方修正をする、資金を投下する、結果検証をする。
すべてKGI、KPI設計です。

普通に開業をされて上手く行けばラッキーですが、すべての歯科開業が成功するわけではありませんし、開業案件によって損益分岐点も違います。だからこそ、前もってどれだけ戦況を想定できるかが失敗しない経営のカギなのです。
まさにKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)、ゴールへの鍵と言えます。

準備すべきは内と外

ここでヒントを言うと「仕組み」です。大切なのは事業計画が本当に正しい計画なのかを見定める目。
そして少しでも見当外れと思ったら直ちに設定を変更する嗅覚と賢さです。「もうちょい様子を見て」はお勧めしません。
そこで考えたいのが、

・内:来てくれた患者さんに紹介などを依頼
・外:もっと多くの方に知ってもらう行動

この2点を基準に考えるべきです。

歯科経営は徹底したランチェスター戦略で成功します。狭く低く、何度も何度もが鉄則です。
ピザ屋さんのチラシ、デリバリーのお寿司屋さんのチラシは何度もポストに入りますよね?ですのでこれらの企業名も皆さんすぐに何社か頭に浮かぶと思います。それと同じで告知は来てくれた患者さんがもっと誰かに紹介したくなるような施策と、開業の告知は程度であれば何度かは行うべきです。

医科歯科地域連携も大切な宣伝です。地域への挨拶回りは、コスト以上の見返りがあります。
エリアによっては短期のリスティング広告も有効でしょう、激戦区では患者単価を考慮して業者を選ぶことも良いと思います。

そのように、出来ることをきちんと用意しておく。上手く行けばそれに越したことは無いですが、そうではない場合もあるのが経営です。
経営は自己責任。誰のせいでもありません。だからこそ、しっかりと自分自身の経営と認識し対策を練っておくことが重要です。

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