歯科開業での資金調達に失敗しないために|歯科開業準備

信頼される事業計画づくりと資金管理の基本

歯科医院の開業を目指す際、多くの先生が悩まれるのが「資金調達」です。
実は、資金が思うように集まらない背景には、不十分な事業計画や自己資金の不足、金融機関との信頼関係の構築不足など、いくつかの共通した理由があります。

特に最近は、業者任せの計画書で融資申請を行い、内容が自院の経営実態と合っていないケースも少なくありません。
金融機関は「数字」と「経営者の理解度」を重視します。ずさんな業者任せの事業計画書が見抜かれて信用を失うんですね。
ご自身で内容を把握し、自院の強みをしっかり伝えられることが、資金調達成功の第一歩です。

なぜ今、資金調達が難しいのか?

なぜ今、資金調達が難しいのか?=なぜカネを貸さないのか?

経済情勢の変化により、金融機関はより慎重に融資判断を行う時代になっています。
国全体で金利が上昇し、円の価値が変動するなか、銀行は「貸す相手」をこれまで以上に厳しく見極めています。
そのため、事業計画の整合性や経営者としての理解度が問われるのです。

当社に相談される「助けてくれ案件」のほとんどは資金調達の失敗です。
相手はお金のプロです。多くの、いわゆる「歯科の大手」だったはずのコンサルティング会社や紹介業者がことごとく失敗しているのは何故でしょう?

自分で考える「数字の見える化」

私は開業前に、せめて簿記3級程度のテキストで良いから買って勉強するように勧めております。時間で言うとわずか3時間程度で基本的理解できるでしょう。

資金調達の基本は、複雑な計算よりも「足し算と引き算」です。
患者さまに満足していただける診療を軸に、

・保険診療・自費治療のバランス
・スタッフ雇用と衛生士枠の収益計画
・運転資金の適切な使い方

これらを自分の言葉で説明できることが大切です。
経営とは「数字で未来を描く力」でもあります。

ホームページ制作費と広告費の考え方

多くの先生が見落としがちなのが、ホームページ制作費や広告費の現実的な設定です。

開業時のホームページの適正価格は、30万円~50万円

市場価格とかけ離れた金額を計画書に記載すると、金融機関から疑問を持たれることもあります
制作費だけでなく、月々の運営コスト(SEO・リスティング・SNS運用など)も、経営計画にしっかり組み込むことが重要です。

内覧会・開業イベントの費用計画

内覧会は単なる宣伝イベントではなく、地域の方々へ医院理念を伝える貴重な機会です。
開催費用は広告宣伝費・販売促進費として計上されますが、
ホームページやSNSと連携した集患・採用施策として一貫性を持たせることが成功のポイントです。

[ 内覧会の適正開催日数 ]

2日間…ユニット3台~5台、CTレントゲン、レーザー、先生の特化する治療(歯周病・補綴・義歯・インプラント等・根管治療)
歯科衛生士(常駐1名以上)

3日間…ユニット5台~10台以上、(歯科医師2名以上、歯科衛生士常駐2.5名以上)

1日のみ…矯正歯科開業、都内ビジネス街、商業ビルテナント内(医療モール以外・駅直結など)

④内覧会をしない…クロスメディア・マーケティングによる広告戦略+ダイレクトハンド、近隣の医療・企業挨拶

自己資金と信頼性

自己資金が少ない場合でも、融資は不可能ではありません。
ただし、金融機関は「お金の管理ができる人か」を見ています。
少額でも早いうちから地銀などに貯金を積み重ねておくと、資金管理能力の証明になります。
逆に、「見せ金」など不自然な入金は信頼を失う原因になります。(入出金はバレます。親からの協力金とするのが良いでしょう)

資金調達に失敗するケースの共通点

・他人任せの事業計画
・経営数字を理解していない
・自己資金がない(準備してこなかった)
・勉強せずに開業を進めてしまう

これらに共通するのは「自分で考えていないこと」です。
金融機関はお金のプロ。開業への想いを自分の言葉で伝えられる方を、より信頼します。

自己資金が少ないことは断られる理由にはなりません。自己資金が少ないという正しい理由を金融機関は信じるのです。

成功への近道は「学ぶ姿勢」

資金調達は、専門知識がなくても学ぶことで必ず理解できます。
コンサルタントや金融機関に相談しながら、自ら数字を把握し、計画を立てていくこと。
これが、これからの時代に求められる“強い開業医”の姿です。

苦労して作った計画書は、あなたの医院を守る最大の武器になります。
金融機関も「真剣に経営を考えている先生」には、きっと力を貸してくれるでしょう。

歯科開業医に言いたい注意点

1.訪問歯科診療、小児歯科矯正、顎関節症治療、2型糖尿病への歯周治療、口腔機能低下症は最低限学んでいて欲しい内容と言えます。
2.内装設計・建築は必ず予算オーバーし追加が掛かると準備しておいてください。
3.ホームページを最初に契約しないで下さい。
4.募集媒体をどこで掛けていくかが決まってからホームページの契約をして下さい。

ホームページ業者の見極め方

美しいだけのホームページは、ネズミを捕らない猫と同じです。

・最新のSEO対策をしっている業者
・GA4(Googleアナリティクス4がスマホにアプリとして入っているか?)
・Google Search Consoleを知っているか?見ているか?
・営業に来るスタッフが「フルスタック・エンジニア」かどうか?
・adobe Creative Cloudは、持っているか?何を使えるか?
・作ってもう顔を出さない歯科知識もない営業マンじゃないか?

これらは、必ず確かめてから契約しましょう。意味のないサブスクや製作費にならないように。

TOPへ